依存~愛しいキミの手~

行方不明

途方もなく知美を探していると、携帯が鳴った。


「今お前ん家の前着いた」


「10分くらいで着くから待ってて」


家の前に着くと、黒いセダンが止まっていた。


フロントガラス越しに見えた、助手席に座る美香は両手で顔を覆い泣き崩れていた。


車のドアを開け、後部座席に乗り込む。


「ともさんは?」


隣に座る圭介が、初めて聞く暗い声で言った。


私は俯きながら頭を横に振る。


「どこにもいない…」


圭介の手が頭に触れ、それまで張り詰めていた緊張感が切れて、圭介に抱きつき声を上げて泣いた。


車の中には、美香と私の泣き声と、優と圭介の鼻をすする音だけが響いた。
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