依存~愛しいキミの手~
圭介たちの店は、りょうちゃんが殺人事件の可能性が高いので、店長やオーナーなどが取調べを受けるため急遽休みになった。


何をするわけでもなく、何を話すわけでもなく、圭介の家でただ時間だけが過ぎて行った。


それから数日後りょうちゃんのお葬式があった。


祭壇に飾ってある、いつものりょうちゃんの笑顔の写真が胸をしめつける。


本当に死んじゃったの…?まだ信じられないよ…。


「冗談だし~(笑)あすか騙されやすすぎ(笑)」


そういつもみたいに明るく笑って、私たちの前に…





「りょ…ちゃん…」


色んなことを考えながらお焼香をした。


まだまだ死んでしまったことが信じられなかった。


笑ってまた現れそうな期待が胸にこみ上げていた。


…棺桶の中で、真っ白な顔をして眠るりょうちゃんを見るまでは。


りょうちゃんの首には、横に切られた傷跡がついていた…。


その傷を見て、目から涙が溢れ出る。周りの音が聞こえなくなり、ただ、自分の苦しく締め付けられる心臓の音だけが響いていた。


「りょうちゃん…知美泣いてないかな…?」


なぜか棺桶で眠るりょうちゃんにそう言葉をかけた。
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