依存~愛しいキミの手~
勝手に見たらいけない。


圭介の信用を失うよ…。


ううん、それだけじゃない。


知ったらいけないことを知ってしまうはず…。


そう思うのに、箱を戻すことができない。


気になる…すごく気になる…。


秒針の動く音がやけに響いて聞こえる。


どのくらいの時間かは分からないが、かなりの時間私は頭の中で葛藤していた。


そして、あんなに悩んだのに、出した答えを間違えた。


蓋に手を当てゆっくりと2回深呼吸し、一気に開いた。


開けてはいけなかった蓋。


分かっていたのに、なぜ開けてしまったのだろう…。


きっと、勝手に覗いた罰が当たったんだ。


蓋を開いた時、私の心の中の鍵も開かれたんだ。


ずっと忘れていた扉の鍵。


ずっと閉まい込んでいた醜い心の鍵…。
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