依存~愛しいキミの手~
圭介…って…


驚いて固まりながら見つめる私の肩を、その女の子がトンと押した。


軽く押されたはずなのに、吸い込まれるように光の方へ体が進む。


怖い!!


やだ、やめてよ!!


必死にその子に手を伸ばし助けを求めた。


「あすかちゃん…ありがとう」


そう小さな声が耳をかすめた。


何で…名前…?


だんだんと遠くに離れて行く女の子。


小さくなりかけた時逆光で今まで見えなかった顔がハッキリと見えた。


その瞬間、体が一気に重くなり苦しくなった。


「あすか!!」


ぼやけていた視界がゆっくりとはっきりしていく。


天井…?


目を動かすと圭介の顔が視界に入った。


あれ…?圭介…?


さっきの花畑は…?


体を起こそうとしたが、力が入らず、すごく体が重くて頭がガンガンしていた。
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