依存~愛しいキミの手~

2時間目の途中、教室のドアが開いた。


教室中にざわめきが起こる。


机に伏せていた体を起こし、ゆっくりドアに目をやると、知美の姿があった。


ガタンッ


私は驚いて立ち上がった。


「久しぶり」


そう照れたように笑った笑顔は以前と変わらず優しかった。


授業中にも関わらず、私は知美に駆け寄って抱きつき泣いた。


知美!!


声が出なかった。


知美がいなくなってどんだけ心配したと思ってんだよ…。


そう怒鳴ってやりたいのに、泣き声しか出なかった。


良かった…。



知美、りょうちゃんの後追ってなかった…。


本当に良かった。


知美の匂いが、私を安心感で包んだ。
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