依存~愛しいキミの手~

知らないフリ

短い春休み中、私は何度も龍ちゃんの家に行った。


「このCDいいんだよ」


そう言って邦楽のCDをかけ始める龍ちゃん。


よく分からないけど、龍ちゃんが好きだと言うから私も好きになった。


ある日、龍ちゃんがシャワーを浴びている時、テーブルの上に1枚のプリクラを見つけた。


暗い部屋の中、シャワーの流れている音を確認しながらライターで照らす。


…。


女と仲良く抱き合う龍ちゃんが映っていた…。


ドクンと大きく心臓が鳴った。


彼女…いたの…?


震える手でプリクラを元の場所に戻した。


…聡みたいに軽いだけかもしれない…。


彼女じゃなく、私と同じように遊んでる女の1人だよ…。


…見なかったことにしよう。


本当はその場で問いただしたかった。


それができなかったのは、聞いたら龍ちゃんとの関係が壊れるのが分かっていたから。


龍ちゃんは、私のことを体の関係でしか見ていないと分かっていた。


それでも好きだから…。


だから、都合のいい女でいいから側にいたかった。
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