依存~愛しいキミの手~
数分歩くと待ち合わせの場所についた。


美香と話していると


「ぶっ…お前ら何やってんだよその格好(笑)」


声のする方を見ると、さっきとは別人かと思うくらいかっこいい圭介と優が立っていた。


これがホスト姿…。


黒でストライプの入ったスーツに身を包み、髪もセットして雑誌で見たことある高いアクセサリーもつけている圭介。


優は黒いベストに白シャツ姿。圭介と同じように髪をセットし、アクセサリーやさっきとは違う高そうな時計をつけている。


うわっ、何か緊張しちゃう。


私は思わず顔を下に向けた。


「何お前、また照れてんの?(笑)」


圭介が意地悪っぽく笑いながら、私が半分羽織っていたパーカーを脱がせ美香に着せた。


そして、自分の着ていたジャケットを私の肩にかけてくれた。


あったかい…。圭介の温もりな?


心地よい温かさに目をつむり、ジャケットの襟を両手で前に持ってくると、すごくいい匂いがした。


あ、さっきの匂いだ…。


さっきの出来事を思い出してしまいまた顔が赤くなり、思わず上着に顔をうずめた。


…あ!やばい、ファンデがついちゃう!


慌てて確認して手で払っていると、圭介が吹き出した。


「ははははっ、お前って本当に反応面白くてかわいいな」


そう言いながら圭介が私の肩を抱いた。
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