依存~愛しいキミの手~
病院に行きカウンセリングを受けた。


私の使用していた薬は、当時バツと呼ばれているMDMA…錠剤の覚せい剤だった。


使用頻度はバラバラで、1日何度もキメることがあったり、2日くらいキメなくても平気な時があった。


私は、精神症状も軽いので入院ではなく通院治療になった。


最初の何ヶ月かは週に1度、それからは徐々に通院頻度は減っていくと説明された。


警察に通報されることを覚悟していたが、やめる決意が固まっているならと病院の守秘義務で知らされることはなかった…。


「みんなで頑張って治していこう」


先生にそう言われ握手をした。


圭介と出会って3回目の梅雨が巡ってきた時のことだった…。


やめたことによる後遺症はそれほど感じなかった。


テレビでよく見ていた、喉に手を当てのたれ回って薬を欲しがる、幻覚を見て暴れ回る、そんなことは全くなく、とにかく体がだるかった。それと喉に違和感があったり手汗がひどくたまに震えたり程度。


精神的には不安に襲われ、そんな時やフラッシュバックが起きた時に薬が欲しくなった。でも4ヶ月くらいたてばそれもなくなった。


私は運が良かったんだと思う。


周りの友達も私が治療を始めたと聞き、次々にやめて行った。私と同じように後遺症が軽い子もいたが、大半は後遺症が重く薬にまた手を出していた。
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