依存~愛しいキミの手~
優は、連絡をとらなくなった後大検をとり、今大学に通っているらしい。学費と貯金のために、まだホストは上がれてないんだと無邪気な懐かしい顔で笑った。


「圭介はね…」


美香が私の顔を見て、先の言葉に詰まった。


美香の声で聞く圭介の名前に、胸が締めつけられた…。


言葉の出ない美香の代わりに、優が口を開く。


「あいつ今日本にいないんだ」


!?


口につけていたグラスを持つ手が止まる。


「ワーホリって知ってる?」


「ワーホリ?」


私は首を横に振った。


「ワーキングホリデーって言う国がやってる短期留学みたいなのがあって、それで今ニュージーランド行ってんだ。…先週発ったばっかで1年帰ってこない予定…」


「…タイミング悪かったね…。もう少し早ければ…」


そう複雑そうな顔をして言う美香に対し、私はまだ会うまでの準備期間が残されていると言う安心感でほっとしていた。


「ねぇ…?何が原因で別れることになったの…?…圭介に聞いても、俺が支えきれなかっただけの一点張りで…ね?」


美香が眉を下げながら優の顔を見る。


私は2人に、あの箱を見てしまった日のことから、説明した。


話終わった時には、涙がボロボロこぼれ落ちていた。
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