依存~愛しいキミの手~
「あすか、付き合わせちゃってごめんね。主任がインフルエンザでダウンしちゃってさぁ」


そう言ったママは綺麗に着物を着飾っていた。ママの隣を歩く店長の手には大きな熊手。


「私も暇だったので。それにお着物着させてもらえたし!」


私が両手を軽く広げて言った。


今日から年明けの営業がスタートするので、商売繁盛のお詣りをしに氏神様の所へ行ってきたのだ。


お店に戻ると、キッチンの人がお節料理をお皿に出してくれた。


今日のおすすめメニューはお節かな?


なんて思いながら食べていると、ママが向かい側に座って一緒に食べ始めた。


「あすか、これ。今年もよろしくね」


ママがそう言いながら『お年玉』と書いてある封筒を机に置いた。


「え!?あ、ありがとうございます…」


お年玉って言う厚さじゃないような…。


封筒を見つめる私を見て、ママが笑った。


「毎年売上に応じてお年玉あげてるのよ。売上のいい子は自然と…ね(笑)」


へぇー。


「こちらこそ今年もよろしくお願いします!」


と言いお年玉をバッグにしまった。


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