依存~愛しいキミの手~
「え、違っ…」


そう言いかける知美の言葉を遮り、私は続きを話した。


「でも、私圭介に会うよ。安心感や同情だったとしても、3年半1番支えてくれたのは知美に変わりないし。だからと言って、知美に遠慮はできない」


きっとここで圭介に会わないことを選んだら、知美は自分を責めるだろう。


今まで支えてくれた知美のためにも、自分のためにも、圭介に会って先に進まなきゃいけないんだ。


「頑張って…応援してるから」


そう言ってくれた知美の声は、すごく穏やかで優しかった。


「今でもやっぱりあすかが羨ましいって感情はあるけど、仕方のないことだって分かってる。あすか達にはない、りょうとの14年間の思い出が私にはあるからさ。今あすかに全部話してハッキリ遠慮する気はないって言われて、すごいすっきりした。ありがとう。本当に応援してるから。同情とか安心感じゃなく、純粋に上手くいってほしいってやっと思えた」


知美が明るく笑い、私も安心した。


ありがとうを伝えるのは私だよ。


ずっとそんな気持ち抱えて悩んでて、きっと私に打ち明けるのはすごく勇気がいったと思う。


ありがとう、正直な気持ちを聞かせてくれて。


圭介から逃げそうになる私をひっぱたいてくれた気分だよ。
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