依存~愛しいキミの手~
私は強く抱きついたまま、ずっと涙が止まらなかった。


たくさん、たくさん伝えたいことを頭の中で整理してきていたのに、何一つ言葉に出ない。


何か言葉を出そうとすると嗚咽が邪魔して言葉にできなかった。


こんなに声を荒げて泣いたのは初めてだった。


いつも目が勝手に探していて、でも振り返ると違う人だった圭介の姿が、今ここに本物がいる。


腰に回した手を強く握った。


圭介は優しく優しく私の頭をなで続けてくれた。


泣き叫び続ける私を包み込むように、圭介がかかんで抱きしめてくれた。


顔が前に来たけど、見れなくて、私は俯きながら涙を流していた。


昔みたいに、頭をくしゃくしゃっとやり


「また下向く…」


そう優しい声で笑った。


止まるどころか、溢れ出す涙。


一体どこまで出るんだろう…。体中の水分が涙になって出ていっているようだった。


圭介が頬をなでて、顔を上げさせた。


この時、涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃで、目は腫れて顔は真っ赤になってすごくブサイクだったらしい。


「ははっかわいいな」


圭介はそんな私を見て、笑いながら言った。


涙を懸命に拭い、やっとまともに圭介の顔が見れた時、私の目には昔のままの優しい笑顔が飛び込んだ。


先の見えない長いトンネルから、外に抜け出して光を浴びた気分だった。
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