依存~愛しいキミの手~
「圭介…圭介!!」


やっと名前を呼ぶことができた。


圭介の名前を何度も大声で呼びながら、首にしがみつく。


「会いたかっ…た…、ごめ…なさ…」


私は伝えたいことがありすぎたのに、この2つしか言葉にならなかった。


「俺も会いたかった…。…ごめんな…ごめんな…」


圭介の鼻をすする音が聞こえて、強く抱きしめられた。


新宿西口、人通りの多い夜。


周りの目なんか気にせず、私は圭介にしがみつくように抱きつきながら、ずっとごめんねと泣いていた。


冷たい風が吹いているはずなのに、圭介の温もりで汗をかくほど暖かかった。


私が落ち着いてきたのを見計らって、美香と優が近くに来た。


「荷物車に積んだよ」


優の手が私と圭介の頭に乗り、ぐしゃぐしゃっとした。


「良かったな…2人とも」


そう言ってくれた。


私は見る余裕がなかったけれど、美香は私と同じくらい大泣きして見守ってくれていたらしい。


まだまだ止まらない涙を何度も拭いながら、圭介の家へ向かった。
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