依存~愛しいキミの手~
サヨナラは今でも知美に言えない。


またねって言って別れた知美。


サヨナラを遺書の中でも告げなかった知美。


終わりじゃないんだ。


今この世に知美はいないけれど、私たちの未来はつながっている。


…そんな気がするんだ。


一緒に歩いてきた道は2つに別れてしまったけれど、いずれまた1つの道に戻る。


圭介とそうだったように。



「またね」


で、別れた後はきっと


「久しぶり!」


と、言って再会するのだろう。


だから、そう笑って言うことができる日まで、右手を知美とつないで歩いていこう。


左手は圭介と、右手は知美と。


その両手で子供たちを抱きしめよう。


幸せな過去からつながる希望溢れる未来へ…。
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