依存~愛しいキミの手~
武田さんがタバコに手を伸ばしたので、火をつけた。


「私もタバコ失礼していいですか?」


笑って頷いてくれたので、火をつける。


「このお店の2階って何があるんですか?」


私が何となく気になり聞いた。


「あぁ、ビップルームがあるんだよ。こっちのフロアとかまた違った雰囲気だよ。」


それからレイカさんが来るまでに武田さんと色々話が盛り上がり、ヘルプの子も来てみんなで一気したりしてシャンパン3本を短時間で開けた。


そのことは、武田さんを送り出した後レイカさんにとても感謝されてイッシーによくやったと誉められた。


こんな感じでヘルプ中心に働き、場内指名も何本か取れすごく面白かった。


「2人とも頑張ったね。場内も取れたし、あすかちゃんはヘルプとしての盛り上げがうまいよ。美香ちゃんはフリー客掴むのうまいし。2人とも、うちで働いてほしいけど本入店する気あるかな?」


店長に頑張りを認めてもらえて、心の中でガッツポーズをした。


「「はい!」」


私と美香は満面の笑みで返事をし、入店を決めた。


これが、私の水商売人生の始まり…。


つまらない平凡な毎日に、サヨナラを告げた日。
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