依存~愛しいキミの手~
「武田さんとレイカさんはどれがおすすめですか?」


とてもじゃないけど、これがいいなんて簡単に言える値段じゃないので、遠まわしに決めてもらう手段に出た。


「んー、私はシャンパンが好きだからこの辺りがオススメ。甘いの好きなら、このカクテルとかキャストの子に人気あるよ」


レイカさんがメニューを指差す。その指先は、綺麗にネイルアートされ輝いていた。


「シャンパン飲んだことないから、分からないなぁ」


そう口からもれた独り言。


「じゃあいつものシャンパン入れようか。顔に甘いの食べたいって書いてあるから、あとチョコ盛りも」


!?


武田さんが笑って言うから焦って、頬を押さえた。


何で分かったの!?


そんな私を見て2人がほのぼのとした笑顔を浮かべた。


初めて飲んだシャンパンは、シュワシュワしていて甘味もありとてもおいしかった。


「おいしい!飲みやすいですね」


率直な感想を言った。


「フルーツテイストだから飲みやすいよね。私もこれ好きなの」


レイカさんが笑い、シャンパングラスを右手に取る。


「レイカさん、お願いします」


ボーイが呼んだ。指名がかぶったのかな?


周りを見渡すといつの間にかたくさんのお客さんで賑わっていた。


「じゃあちょっと行ってきます。あすかちゃんよろしくね」


レイカさんはキラキラ光るドレスをなびかせて歩いて行った。

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