線香花火~ひと夏の小さな恋~
「優馬は、優しすぎるんだよ。」

私は、食事中にそんな事を言ってみた。

「はい?何それ。」

優馬は、意味不明なようで首を傾げる。

「もっと意地悪になりなよ。優馬は優しすぎる。一言一言が、全部。」

「なんだそれ。まさかのドM発言?」

「違うもん・・・。」

そう言ってうつむく私に、優馬は爽やかに笑う。

何もわかってないんだから。

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