雪の種
「自分が………、自分が、傷つくことになっても?―――あなたが大切な存在を失うことになっても?」
声が涙声になった。
大切な存在。
失う。
傷つく。
学校。
脳裏に色白の女の子が笑顔であたしに迫る。
「―――――ッ!!……こ、琴美の時と同じことを繰り返すって言いたいの?」
脳裏に浮かんだ彼女の名は琴美(コトミ)。
小4の時にいつも一緒にいた、今はあたしに見えないあたしのいる世界じゃない、お母さんと同じ天国という名の楽園にいるだろう。