3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「もう辞めたいわ~」


 私の宥め(なだめ)を無視して、リナが怒りに任せてフォークでウインナーを刺した。


「最近、リナってばそればっかりだね」


 私が呆れて言うと、リナは唇を尖らせる。

「働くの嫌いだもん。寿退社したーい!」


 そう叫ぶ真似をしたリナは、私の耳元に手を添えると「結婚する相手がいる人は、いいよね~」なんて、そっと耳打ちをしてきた。



「もう!」

 私はさっと周りを見回して、近くに人がいないことを確かめると、リナを少し睨む。


「だから、気にしすぎ」

 リナはそう笑い飛ばすんだけど。
< 23 / 333 >

この作品をシェア

pagetop