3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 うん、覚えてるよ。


 私の年に近い子は何人かいたけど、大志くんだけはみんなと五歳以上離れてた。だから、後をついて来る小学生の大志くんを邪険にする子もいたっけ。


「でも、実句さんだけは、いつも遊んでくれました。ちゃんと僕を見てくれました」

 だから、と大志くんは一呼吸置いた。



「僕がガキでも、実句さんはバカになんかしないで、ちゃんと見てくれるって信じてます」


 そして、にーっこりと微笑む大志くん。


 確かに、高校生だからってバカになんかしないけど。


 何か、確信犯的な微笑みに見えたのは気のせいかしら……。
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