傷恋(キズコイ)
「友達を傷つけられるのは辛いんでしょう?君がそれを引き受ける。どうです?」

「どう…って…。どうすればいいの…?」

私の返事を先生は小馬鹿にしたように笑った。

「ずいぶん友達思いなんですね?以前の君にはそんな友達がいないようでしたが?」

「結衣は…多分私にとって初めて気を許せる友達だから…。私の好きな人が友達を傷つけるなんて…嫌だよ」

「殊勝な事ですね。僕を好きだと言う君はその想いが叶うと思いますか?」

突然、話題が自分の事に移って戸惑う。

「それは……。そうだといいと思うけど…先生は私に何の感情も持ってないでしょう?」

「素直ですね。そういうところは好感が持てますが…。確かに何の感情もないですね」

わかってたけど…ハッキリ言われるのはやっぱり辛い。

思わず胸元をギュッと握ってしまった。

「自分を想ってない相手から触れられる。君に拒否権はない。どうですか?」

そう言いながら先生は私の頬に指を滑らせる。

「そんな僕に君が付き合うなら、神崎さんにはもう関わらないと約束しましょう」





私は小さく頷いた。
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