先生のお望みのまま
「はぁ…何だかドタバタしてすまんな。」
「あはは〜先生達の意外な一面を見ちゃった〜。」
相澤先生に岩間先生。本当にいつもの先生達とは全然違う。
「わかってると思うが、あまり言いふらすなよ。人それぞれだから…。」
「わかってる。大丈夫だって。」
「それにしても…まさか猫一匹でこの騒ぎ。疲れた。」
確かに疲れた…。さすがのゴクセンもぐったりしてる。
それから私達はようやくお弁当を開いたけど、冷えきっていてふたりで苦笑いしながら食べた。
「ねぇそう言えば猫の名前は?何て言うの?」
「ミミだ。」
ゴクセンは少し早口に言った。
「あ〜ミミちゃんかぁ。それって仔猫がミィミィ鳴くから?」
「そろもあるが、この子を拾うキッカケになった子から一文字もらったんだ。」
「ふ〜ん…。」
なぜか更に早口になり焦っているゴクセンを見て、ちょっと悲しくなった。
先生知ってる?私だってこの子と会ってるんだよ。でも貰い手を探してあげることが出来なかった私には、何も言うことは出来なかった。
仔猫はがんちゃんが出ていって少しホッとしたのか、やっとカリカリごはんを口にした。