ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「……ちッ!!」
煌はあたしを荒く引き寄せた。
今まであたしが居た場所に、何かが疾(はし)る。
そしてその奥に居た黒服の男が声を立てて地面に崩れ落ち、びくびくと痙攣を始めたんだ。
「神経弾か。やべえな、庭の木に隠れて結構いやがる」
再び銃弾。
続けて銃弾。
またもや銃弾。
銃弾の音は途切れなく、ますますもってその数が多くなっているような気がする。
やばい。
これはやばいんじゃないのか!!?
「この数!!! くそっ!!!!」
煌が吼えたその時だった。
煌が、あたしを抱きしめたのは。
その力強さは迷いなく。
煌は――
「煌、何馬鹿なこと考えてるのよッッ!!」
身体を盾にする気だ。
あたしを守る為に。
銃弾音。