ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「恋愛なんて本人の自由。君に口出しする権利はないよ、完全"第三者"だもの、あはははは~」
傷口に塩を塗りたくられた気分。
芹霞にとってただの幼馴染にしか過ぎないと…そんなこと、俺自身…よく判っているというのに。
だからこそ、12年間も煩悶しているというのに。
誰よりも近い…
だけど"第三者"に過ぎぬ俺。
そんなこと…
わざわざ言われなくたって…!!!
「……櫂?」
「………」
「櫂ってば……」
「………」
「ねえ……」
「………」
「いじりすぎだ、アオ」
艶やかな声音がした。