ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「君はいつからプログラムを組むようになったの?」
「ボク本業はTVやPC問わず、ゲームプレイヤー兼アニコス信奉者だから、プログラム歴はそんなに長くないよ。最近のはね、すぐ終わってしまう詰まらないゲームばっかりだから、それなら面白いゲームを自分で作っちゃえっていう、ただの趣味」
「それであれだけのものを作り出せたの?」
僅かに玲の声が硬くなった。
「んー、まあゲーム関連に関してはやるのも作るのも相性いいみたいでね。それ以上に…開発環境もよかったしね」
「開発環境?」
「ん。ボク、あるプログラムを貰ったんだ。それが凄くてね、人工知能っていうので開発されていたものらしいんだけど、言葉を理解し学習して進化するんだ。プログラムがだよ? ボクもう感動して、ハマってしまってね。色々いじくってたら、あれやあれやという間に、大きくなっちゃうしさ。それがあのメインサーバ」
俺は目を細めた。
玲も何か考え込んでいる。
「確かあのプログラム名は……『REY』……あれ、君の名と同じだね」
「……何処から流出したんだよ」
ぼやいた玲は、俺を見た。
「僕が昔作った、破棄していたはずの試験的なプログラム。
どうやら…この子に渡っていたらしい。
ここのメインコンピュータの元祖だ。道理で抜けるのが容易くなかったわけだよ」
「あれ、君が作ってたものなか!!!?」
「まあね。10年前くらいのものかな」
「10年前!!!」
遠坂は目を白黒させて、そして叫んだ。
「師匠ッッ!!」
突然遠坂は、玲に土下座した。
「どうか、どうか、この遠坂を弟子にして下さいマセッ!!」
「は?」
「師匠~ッッッ!!!」
俺は呆れた心地で、饒舌で…非常に騒がしい女を見ていた。
呆気にとられて飲み込まれているのは、俺だけではないらしい。
誰もが、同じような呆けた顔で遠坂を眺めている。
ただ陽斗は慣れているのか、
我関知せずといった顔。
それが…正しいのかも知れない。