ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
俺はくつくつと笑った。
「いいんじゃないか?
お前の引きこもりも改善されるだろうし」
思っていた。
いつも影の道を選んで歩く玲に、少しでも日向の道を歩かせたいと。
「遠坂、1つ聞きたい」
俺は目を細めて彼女を見た。
遠坂は、何かを予感してか幾分顔をひきつらせる。
「玲のプログラム、誰から貰った?」
「氷皇」
はっきりとそう言った。
「篠山亜利栖を呼び出した、メールの相手は……お前か」
玲の追跡を撒く程の相手は――
「そうだよ。アリスだから『チェシャ猫』。氷皇がそう名乗れって。アイツに言われたままにメールをやり取りしていたよ。
そっかあの時のストーカー、師匠だったのか」
やはりこの女か。