青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「クヲンくんが忘れてくれって、言ったからちゃーんと忘れました!」

 空兎が「偉いでしょ!」と言わんばかりに手を挙げる。クヲンは己の発言に激しく後悔した。

「確か……“ハレ”は年中行事などの非日常を表し、“ケ”は普段の日常の生活を表している、だっけ?」
 曖昧な記憶を掘り起こしながら仙太が答えると、クヲンが「正解♪」と指を鳴らす。

「つまり、“ハレ”ってのは“非日常”ってこと。昨日のお前らは、非日常的な一日だったわけだからまさに“ハレの日”! 中々決まってるだろ?」

 得意気にウインクしてみせるクヲンだが、仙太はどこか呆れ目だ。

「おぉ! なんかいいね! “ハレの日”!」

 空兎は気に入ったようだ。「だろ?」とクヲンのテンションも上がる。

(やっぱり……なんか似てるな……この二人)

 この三人になると仙太はいつも思う。


 一人、取り残されている疎外感に………

 まるで切り離された別空間へと入っていくかのように、二人の声が仙太の耳からフェードアウトしていく。


 だが、不意に飛び込んできたクヲンの声が仙太を引き戻した。

「まっ、おしゃべりはここまでにして、そろそろ学校行かね?転校初日から遅刻はしたくねーよ」

「あ、あぁ、そう、だね」

 一人疎外感に囚われていた仙太は、反応が一瞬、遅れて応えた。

 しかし、そこで空兎がバンッと卓袱台を叩き、二人を驚かせた。

「ダメ………」

 空兎のその一言で、仙太はハッとした。

「そうか……今の僕達は“鍵”を持ってることで狙われてるんだ。一緒に行動すると危ないかもしれないし………あ、学校事態も危険かも……」

 不安げに考え込む仙太。そんな仙太に、クヲンが不敵に告げる。───そう、どこか確信めいた口調で……

「多分、その辺りは大丈夫だと思うぜ? 話を聞く限りその追跡者らは、大胆に見えて実はかなり人目を気にしてる。わざわざ駅前の一区画を仲間内で取り囲んでお前らをハメたんだ。きっと一時的に道路とか色々封鎖してやったんじゃないか?」

「まさか……」

 クヲンの言葉に、仙太は愕然とした。
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