青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
 だが、ここからが本番。
 仙太は一度、深呼吸してからジョーに話し始めた。

「あの、甲斐浜 仙太っていいます! 昨日、コンビニで・・・・・・」

 簡単に知り合った経緯を説明しようとしたが、ジョーは仙太の声と「昨日、コンビニ」という部分だけで気付いてくれたようだ。

『あぁ、君ですかぁ。なるほど仙太くんっていうんですね。空兎ちゃんは元気ですか?』

 どうやら救急車で運ばれる前のあの雑談で、彼女の名前は知ったらしい。余計な手間が省けて、仙太としては助かったところだ。

「その空兎なんですが・・・・・・今、何処かで大変な目に遭ってるみたいなんです」

 一度言葉を切るが、ジョーからの返しはない。仙太は一瞬、不安な気持ちになったが構わず続けた。

「怪我で大変なのは分かってるつもりなんですが、助けてやって欲しいんです!」

 言い切った後、仙太は虫のいいことを言ってるなと自嘲した。彼が自分を「ヒーロー」と言ったとき、まるで信じていなかったのに、今こうして助けを求めている。

 仙太にしてみればワラにも縋る気持ちなのだ。
彼がもしも本当にヒーローならば、空兎の信じる正義のヒーローならば或いはと。

 これが仙太の最大の賭けだった。


 程なくして、電話の向こうからジョーの声が聞こえてきた。


『わかりました!任せてください!』

 気弱で、仙太から見て少し頼りなさそうに見えた彼だが、その声は有無を言わさないヒーローの貫禄があった。

 困ったときのヒーロー頼み。

 今の仙太にとって、その言葉が姿のわからない神様より、ずっと信憑性があった。


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