愛しい記憶
そして

「すみませんでした!」
と二人に向かって頭を下げた。

「遥くん?」

「俺の所為なんです…
俺が美沙を無理に連れ出したから…」

気分転換なんてもんじゃない。逆に美沙をまた病院に戻してしまった。

意味がないじゃないか…
「そんな事ないわ…」

遥は頭をそっと上げた。
おばさんが優しく笑った。

「美沙、昨日すごく楽しみにしてたのよ。
嬉しそうだった。
だから謝らないで」

「そうだよ。遥くん」

「おじさん、おばさん…」

遥は思わず泣きそうになってしまった。
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