ベッドシーンモデル あずさ×優の場合
「うっヤバイ!」
拓人さんの小さな声が 私の耳に響き、ビクッと体を震わせた。


『・・・オイ! 何やってんだよ!』
優の声が部屋にこだまする。


優がベッドに近づき、私と拓人さんの前に手を伸ばすと、ママの怒った冷やかな声が聞こえてくる。


「優、邪魔! 退きなさい!」
『おばさんっ! コレ!』


「いいから、邪魔!」
チッと舌打ちし、優はベッドの端でジーと私を見ている。


こんな格好、人に見られるなんて・・。 しかも優に・・・。


恥ずかしすぎて どうしていいのか わからなくなり、何も考えないように意識を飛ばす。


「ハイ。もういいわよ。 サンキュー」
ママの声が遠くに聞こえる。


『・・・あずさちゃん?・・』
優しく私の体を揺らす声がする・・・。


「いい加減にしろよ!!」
ドンッ!
思い切り肩を押され、後ろに倒れこんだ。


えっ!?
我に返って上を見ると、困った拓人さんにまたがったまま倒れていた。


怒っている優の顔が目に入る。


現実に引き戻され、顔がこれ以上赤く成らないんじゃって位に真っ赤に染まった。


「ゴ、ゴメンなさい」
拓人さんに謝って、拓人さんの足から降りた。


は、恥ずかしー。
ココにいられなくなり、「帰るね」
とママに告げて、2階の自宅へと帰った。


ヤ、ヤバイ! 頭が混乱して状況がつかめない。


頭に残っているのは、拓人さんのほろ苦い香りと、優の怒った顔・・・。


アレ? 優は何で怒ってたの?



ふう~。 もう、ベッドシーンモデルは、懲り懲り…。


赤い顔を沈めるために、風呂場へと向かった。 
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