− 夏色模様 −




「……」


優ちゃんが固まった。


あー、やっぱり聞かなきゃよかった。 陽太くんはそんな意地悪なことやらないか。


「キスマーク!」


「シー、シー! 優ちゃん、声が大きい」


なんて大きい声で叫ぶの! これじゃあ試合をやっている部員たちに聞こえるじゃん!


優ちゃんのバカーッッ!


優ちゃんに昨日の出来事を簡単に説明する。

この数日間のあたしといっくんの行動も説明した。


もちろん、優ちゃんには。


「バカッ……」


「スイマセン」


怒られた。

わかりきっていたけど……。


「ちゃんと仲直りしなさいよ」


仲直り……。 別にケンカってわけじゃないから“仲直り”とは関係ないけど。

いっくんと顔を会わせるのは恥ずかしい。




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