− 夏色模様 −

3日目⇒ 憎めないヤツ。





“あっ! 夜は花火をみんなでやるから部屋にいてね。 迎えにいくから”


練習後、優ちゃんからこんなことを言われた。


花火なんて、久しぶりだからウキウキしながら部屋で優ちゃんに呼ばれるのを待っていた。


――― コンッ コンッ!


優ちゃんだ!


「今から開けるからねー」


花火っ 花火っ!

足取りは軽く、勢いよくドアを開けた。


「――― ッッ」


「――― よっ」


いっくんが、立っていた。


今日は1度も口を利いていない。

一方的にあたしが避けているってことでもあるけど……。


開けたドアをもう一度、閉めようと腕を引く。


「あっ、閉めんなバカッ」


いっくんがドアの間に足を挟んだ。




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