− 夏色模様 −

1日目⇒ コワイヒト。





ボールの音が体育館に響く。


副顧問の平本先生は桐谷と……。 1年生の指導をやっている。

結局、前田くんは2年生の指導に回っている。



「優ちゃんって、バスケ出来る?」


隣に立つまおがあたしに尋ねてきた。


バスケ?

まあ、去年……。 桐谷に少し教えてもらった程度で、そんな“出来るっ!”って言うほどは、出来ない。



「でも、ルールとかはわかるんでしょ?」


「まぁ、ね」


少しだけど……。

バスケのルールは本当に難しい。


結局、細かいとこまで覚えられずに……。

スコアを付けるのはいつも部員たちだったもんな。



「さっきね……」


まおがさっき、前田くんに少しだけバスケのルールを教えてもらったことを話してくれた。

でも、わからなかったみたい。


「大丈夫だよ、わからなくたって。 あたしもわからないから」


「そっか」




< 18 / 300 >

この作品をシェア

pagetop