− 夏色模様 −




何のためにまおにお茶を持たせたのかわかっていない。


「こらーっ! 桐谷っ、前田くんっ、先生っ!」


あたしが急に大声を上げたものだから、3人は驚いたようにあたしをみる。


「ちゃんと休憩しなさーいっ」


全く。 いくら休憩中だからって、遊ぶなっ。


「まおからお茶を貰いなさーいっ」


水分は定期的に摂取しないとイケない……。 なんて、初歩的な事をやらないのはどこのバカたちよ。



「愛川先輩?」


「どうしたの、西村くん?」


来たなっ。 西村くん。

絶対"休憩中にはあたしたちに近付いて来る―――”

そう思ったから、まおをあたしから離し、前田くんと桐谷の近くに行かせた。



「木下先輩って、どんな人ですか?」


本当にまおが好きなんだ。

でもね、西村くん。

あたし、まおには前田くんと付き合って欲しい―――。 そう、思っているの。




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