− 夏色模様 −

1日目⇒ バスケ。





今日の練習も一通り終わって……。

少しだけ残って、いっくんと一緒にバスケ。


「ほらっ、まおっ」


「――― うわっ!」


体が後ろに下がって、腕の中にバスケットボールが収まった。


「情けねーな」


――― ムッ。 しょうがないじゃん。

バスケなんてほとんどやらないし、バスケットボールってこんなに重かった?



「あー、男子と女子でボールの重さは違うからな」


ふーん、そうなんだ。 知らなかった。


「俺にパスしてみ? あっ! 床に1回バウンドさせてな」


「うん」


あたしは手からボールを放した。


最初は比較的、いっくんの近くから。


それから徐々に離れていく……。


「うまくなったな」


「本当! やったー」


いっくんに褒められちゃった。

ただ、床にボールをバウンドさせていっくんにパスしているだけなのに。

やっぱり褒められると嬉しい。




< 88 / 300 >

この作品をシェア

pagetop