舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「い、行くぞ」


「あ…はい!」


怜音が背を向けて歩きだしたので、私はその背中を追った。


あまり背は高くないけれど、私よりは15センチくらいは背が高く、足が長いためすぐに離されてしまう。


近づいて、また離れて、その繰り返しをしていたら、あるところで怜音が立ち止まった。



「あ…」



そこは、前に案内してもらったバレエショップだった。


怜音は何も言わずにその扉を開けて、中に入ってしまった。



あわてて私も中に入ると、怜音は店員さんに話しかけていた。


私の方を見ながら。



「お客様、こちらへどうぞ」


「へ?私?」



入り口に突っ立ったままの私に店員さんが声をかけた。


怜音が手招きをしていたので私は中へ入り、わけがわからないまま中央のソファーに座らされた。


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