舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
翌日、怜音に買ってもらったレッスン着とトウシューズでレッスンに臨んだ。


先生にも研究員たちにも可愛いって言ってもらえたし、新しいトウシューズでの金平糖の踊りは、ポワントの精度も上がり、足への負担も少なくなった。


シューズを変えたらやっぱり心機一転、からだが軽くなったような気がした。


研究員たちのレッスンが終わり、てっちゃんがやってきてまたパドドゥのレッスンが始まる。


今日はたまたまカズさんがレッスン場を訪れてくれて、カズさんからも指導を受けることができた。


「哲、お前、衣装のことも考えて支えてんの?奈々も、そこんところ本番想定してチュチュつけるとかさー。なぜそういうところに頭が回らないかね、君たちは」



「すみません…」


「カズくん!先生が言ってなかったらから!」


「いやいや。お前たち、いちバレリーナなんだから、いい加減先生に教えてもらうっていう概念捨てろよ。どっちかというともう指導する立場なんだし、ちゃんと考えてバレエと
向き合えよ」



「はい…」



やっぱり、プリンシパルとしてのし上がるためには、甘い考えではやっていけない。


そう痛感させられた。

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