4人の嵐
真人side
『真人っ』
肩に感じるかすかな痛みと、囁き声に目を覚ました。
『……ん?』
『な…んじ?』
目をこすりながら俺を起こした張本人、一に暗がりの中、問い掛ける。
『4時過ぎ』
『あぁ!?』
『シーッ、那子ちゃん起きる!』
声を潜めて何故かソコにいる、那子ちゃんを指差す。
いや、でもさ、いくら寝起きの爽やかな俺でも4時に起こされたら機嫌を悪くなりかける。
『運んであげて?』
『はぁ?まず何で那子ちゃんそんなとこにいるんだよ』
『寝相悪すぎだよね』
クスクス笑う一。
『お前那子ちゃん運ぶ力もないの?』
『いや、ある。……けどさ、…ね?』
笑う一。
苦笑い。
笑ってるつもりかそれで。
お前の苦しみを、闇を、知ってるからその笑顔は俺には見てられないほど辛くて。
『…馬鹿野郎』
『あは、ありがと。真人』
俺は布団から立ち上がって那子ちゃんに近づいた。