神隠し
さっきまで不機嫌だった男の子まで、カバンに手を突っ込んだ。

…おかげでほとんど無くなってしまった。

まっ、いっか。

駅付近には商店街があったし、帰りにそこで買えば。

「じゃっじゃあアタシは戻るわね。キミ達も暗くならないうちに、早く家に帰った方が良いわよ」

―うん。お菓子、ありがとね。おねーさん。

―じゃな。

「うん。じゃあね」

軽くなったカバンを持ち直し、アタシは駆け足で仲間の元へ向かった。

―…おねーさんだけは見逃してあげるよ。

―ああ。アンタだけは、な。

2人の少年の呟きが、風に乗って聞こえたけれど、アタシは振り返らず進んだ。

…この後起こることを知らずに。

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