神隠し
渋々屋敷の入り口に戻ると、仲間は2人の対照的な少年を見て、きょとんとした。

そして案の定、どうしたのかと尋ねてきた。

なので苦笑しながら、お菓子が欲しいのだと説明すると、一気にイヤな顔をされた。

そして次の瞬間、口々に飛び出るのは文句ばかり。

なのでアタシは少年2人の腕を掴み、社の前に戻った。

「やっやっぱりダメだったね。ごっゴメン」

息も切れ切れに、両手を合わせて謝った。

―う~ん。まあ良いよ。ある程度、予想はついていたしね。

ニコニコ顔の少年も、さすがに苦笑している。

「おっお詫びと言ったらなんだけど、アタシの持っているので良かったら、好きなだけ持ってって良いから」

カバンを再び下ろして、中を開く。

―ホント? じゃあ、コレとコレと…

―コレも。あとコレだな。
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