神隠し
目の前がくらっ…と揺れた。

あっ、これはヤバイ、な…。

もう…1人では耐えられない。

がくっと膝が折れるのと同時に、意識が遠のいた。

けれど、両肩を支えられ、意識が戻った。

「えっ…?」

―大丈夫? おねーさん。

―しっかりしろ。こんな所で倒れたら、ただでは済まされないぞ。

あの、2人の少年だった。

「どっどうしてここへ…」

―説明は後でね。それより早く行こう。

―出口はこっちだ。

2人がそれぞれ手を掴んで引っ張るので、アタシは歩き出した。

呆然としながらも、頭が真っ白だった。

それは安心感がどっと訪れたから。
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