君の手が奏でた夢
なのに。
どうしてだろう。
心音が胸に軋む程
私は彼に恋をした。
彼が学校に来てからも
しばらくのあいだ
私達には何の接点もなかった。
ただのクラスメイト。
それだけだった。
そうして
時間がどんどん過ぎて
顔も覚えてもらえないまま
1年が経つはずだった。
それで
いいと思ってた。
今は身を引き裂かれても
そんなこと思えない。
私と彼が初めて会話をしたのは
6月の湿っぽい日の事だった。