忘却の勇者

そしてベモスに突き刺さっている紅蓮の剣に接触すると、バチッと小さな火花を発し……。


大爆発を巻き起こした。


落雷など比にならないエネルギー。


半径数十キロに渡る爆風が砂漠中の砂を巻き上げ、爆発によって生まれたキノコ雲と相まって日の光を完全に遮った。


砂漠は一瞬にして夜の世界へ移り変わる。


これではオレオ達の安否は不明。もはや肉体が残っているのかさえ疑問だ。


まさに地獄絵図。


爆発の中心部にいたベモスの肉体は粉々に弾け飛び、肉片は爆発の熱によって蒸発した。


肉片一つ残っていない。これでは再生など不可能。


すると、宙を漂う異物が徐々に晴れていった。


砂漠に現れた竜巻によって、砂と煙が一か所に集められる。


次の瞬間、竜巻が消えた。
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