忘却の勇者

無論アグロのそれは、完全な強がりなのだが。


「さすが……あんたは化物すら……超越した存在……いや」


首を横に振り、アグロは言う。


「神すら愚弄する……世界の理だ」


「最高の誉れだ。ならば貴行は世界に抗う神とでも言おう」


「そんな……大層なもんじゃねえ。俺達ちゃ……ただの騎士(人間)さ。だから……」


大剣を地面から引き抜き、切っ先を相手に構える。


身体が重い。


だがせめて一人だけでも。少しでも戦況を有利に進めるためにも。


「あんたを生かしちゃおけないんだよ!」


大地を蹴る。


特攻を仕掛けるが、それではサイの思うがままだ。
< 428 / 581 >

この作品をシェア

pagetop