忘却の勇者

彼らの真の奥の手は、忍ばせておいた他の騎士達ではなく、アレミラのこの一撃。


全てこの瞬間のために、確実にサイを倒すための作戦だったのだ。


退魔の波長を纏わぬ攻撃でこの威力。純粋な攻撃力では、アグロをも超えるだろう。


結界全体にヒビが生じる。


もうもたない。結界が破られるのは時間の問題。


「終わりだぁああああああああ!」


結界は破壊され、細かい破片が降り注ぐ。


目の前に迫る紅蓮の光に、サイは思わず目を閉じた―――
< 433 / 581 >

この作品をシェア

pagetop