かさの向こうに縁あり
もやもやとした感情を抱く。

これだけは本当の私。


毎日疑問に思う。

どうして私はこんな夢を見続けているのだろうか、と。


その疑問は日々深まるばかりで、もはや謎と化している。



かれこれ、一週間近く夢の続きを見せられている。

おかげで話も毎日進んでいる。


まるで、あれよあれよと踊らされているような。

夢に振り回されている気さえする。



咳をしているのはあくまで他人。

男性が言葉をかけているのも、その他人に対してのもの。

でも、中身や感覚は私。



一体この夢は、どうなっているんだろうか……?



毎日頭の中で整理しても、結局は分からずじまいで……



男性は、そっと私の頬を撫でる。

不意を突かれた私が彼の方を見れば、自然に彼と見つめ合うことになった。


そして悲しそうな目をして、男性は微笑んだ。



『生きて……病なんて関係なく生き抜いて?君をお嫁にもらいたいからーー』



彼がそう言ったのを、私は遠退く意識の中で確かに聞き取った。


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