君はガラスの靴を置いていく
『あーぁ、結局今日中に彼女ゲットは無理だった。せっかく彼女作って明日からウキウキハッピーライフを送るつもりだったのに』
『ウキウキハッピーライフってっ!
そんなのどこから思い付くの?』
増田の愚痴をまるが聞いている中、砂浜を走ってくる足音が近付いてきた。
『ハァ……良かった、先輩達まだ居たんですね』
それは先程まで遊んでいた後輩達。勿論、悠里も居る。てっきり帰りは別々で帰ると思ってたけど違うの?なんか慌てて走ってきたみたいだけど。
『あの、パパの別荘に泊まって行きませんか?』
悠里の言葉に俺達の声が気持ち悪くハモってしまった。
『『『別荘っ??』』』
いやいや、別荘とか全く別次元の単語が出てきたんだけど。からかってる……訳ではなさそうだ。
『私達元々一泊する予定だったんです。でもせっかくだし先輩達が居てくれたらもっと楽しいのになーって』
『え、えっと……パパって…悠里ちゃんの家金持ちなの?』
増田が一番の疑問を聞く。
悠里は品がある顔立ちはしてるけど、金持ちだったら俺達と同じ高校になんか通わないだろ。
金出せば私立のいい所行けるし。
『えーそんな訳ないじゃないですかっ!
パパはパパでも違うパパですよ』
-----------------なるほどね。
一宮悠里は甘え方を知ってる。こんな可愛い女子高生にねだられたら親父なんて瞬殺って事か。