君はガラスの靴を置いていく



『千花、それでも99パーセントは俺が悪いから謝らないで。……謝ったりしたらダメだ』


優しいのと許すのは違う。

俺は千花に許されたらきっとまた同じ事を繰り返す。多分なにも学ばないままどんどん汚れていく


『それからもう話しかけない方がいいなら言って。分からないんだ。俺はいつも自分中心で自分さえ良ければいいと思って生きてきたから』


相手がどう思うとか関係ない。

泣いたり怒ったりしても勝手にやってくれって冷めた立場にいた。それを誰も責めなかったし、それが良いと寄ってきた


でも俺がなんとも思わなかった一場面を千花はずっと考える。そんな人の気持ちぐらい読み取れるようになりたい。


『話しかけてもいいよ。すれ違って挨拶しない方が変だと思う』


『じゃ、友達?』


『友達……ではないかな。だって1パーセントは宮澤君の事許してないからね』


そう言うと千花は笑った。

久しぶりに見た。

もしかしたらこれも千花の優しさなのかもしれない。


< 184 / 300 >

この作品をシェア

pagetop