君はガラスの靴を置いていく

└狂い咲き




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それから数日が経って、文化祭の余韻はすっかり消えていた。校内も綺麗に片付けられていつも通りの学校生活。


『つーか俺は認めない。絶対に』

少し変わった事と言えばまるに彼女が出来た事。
もちろん相手は後輩の子。


『ってか増田っち、ずっと認めないとか言ってるけど丸山君に彼女ができて寂しいだけでしょ』


明日香の一言に増田は「うーー」と唸りながら見えない何かと戦っていた。


『ちょっと俺自販行っているから』

『あー私も行く~!』


友達活動してる明日香だけど、やっぱりこうしてたまに5組に遊びにくる。文化祭の時はご機嫌斜めだったのに今日は違うらしい。

まったく天気みたいにコロコロ機嫌が変わる奴だ。 


『私ココアがいいなぁ。最近寒いもんね』


衣替えした当初はブレザーを脱ぎたくなるほど暑かったのに今は丁度いい。季節はゆっくりと冬に向かっていた。 


『なーんか、寒くなると人恋しくなるよね~』

『つーかこんなに彼氏がいないの最長記録じゃね?』

『みやもでしょ?私達1ヶ月空いた事ないもんね』


俺は寂しいから誰かと付き合ってた訳じゃないけど。

明日香がここまで誰とも付き合わないでいられるって事は少しは男への依存が治ってきたって事か。


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