君はガラスの靴を置いていく

└絡まる糸




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次の日の朝、北から流れ込んだ寒気のせいでかなり外は冷え込んでいた。


『あ、やっぱりマフラーしてくるよね』

『だってさみぃーもん』

いつもの待ち合わせ場所で、まるが肩を小さくして待っていた。自転車を漕ぐわずかな風でさえも寒い。


『今日体育ないからラッキーだよね。こんな日にグラウンド出たら死んじゃう』

なんて、まるが喋ってる隣で俺は大きなあくびをしていた。


『寝不足?』

『んー』

昨日は家に帰ってからずっと図書館での事を思い出していた。久し振りにギュッと抱きしめた千花の体はやっぱり小さくて、思わずあの場所で告白してしまいそうになった。


きっと鈍感な千花でも俺の気持ちに気付いたかもしれない。

気付いてくれた方がいい。

それでまた俺の事を考えてほしい。
俺の事を見てほしい、とか自分勝手に思ったりしてる。 



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